適正な利益計算のために設定される『引当金』について見てみましょう。
引当金について
引当金は、減価償却と同様に適正な利益計算のために設定されるものです。
ただ、減価償却は過去にキャッシュ流出した固定資産取得額を将来にわたって
規則的に費用配分するものであるのに対して、引当金は将来かなりの高い確率で
発生するであろう損失にあらかじめ備えるためのものです。
引当金は将来発生するであろう損失を先立って当期に損益計算書で費用として
落とす時に発生します。
引当金の種類
将来発生するであろう損失はキャッシュがいつ出るかという観点から2つに分けられます。
1つはキャッシュは既に過去に出ていて、その金額は資産に計上されているのですが、
その資産の回収が予定通りにいかないために損失発生が予想されるものです。
これは資産としての貸出金の評価を引き下げるものなので、『評価性引当金』といいます。
もう1つは、キャッシュがこれから発生する事に備える引当金があります。
退職給付引当金は将来債務に備えるものなので、『負債性引当金』といいます。
評価性引当金は貸借対照表の資産の控除項目であるのに対して、
負債性引当金は負債として計上されます。
引当金を計上している場合、事象が発生した際に現金は出ていきますが、
費用としては既に処理済みなので、実際の損益には影響しません。