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のれんの償却

 財務諸表上に出てくるのれんを把握して、正確に決算書を読みこなしましょう。

『のれん』について

 正ののれんは貸借対照表の固定資産に計上されます。
固定資産には減価償却する資産としない資産があります。

土地のように使用しても価値の減らない資産は減価償却不要ですが、
建物や機械のように使用することにより徐々に価値がなくなる資産は
減価償却が必要です。

では、のれんはどちらなのでしょうか。
のれんとは、超過収益力を表しますが、これは時間の経過に伴い
価値が減るのでしょうか。あるいは減らないのでしょうか。

『のれん』の償却

のれんの償却については、2つの考え方があります。

1つはのれんの永続性を一応認め規則償却はせず、実際にのれんの原因たる
超過収益力がなくなった時に一気に全額を減損として落とすというものです。

もう1つは、のれんの永続性は保証されたものではなく、いずれはなくなると考え、
固定資産の減価償却と同様に何年かにわたって規則償却を行うという方法です。

アメリカや国際会計基準では規則償却はしません。
したがって、買収した子会社の収益力が続く限りのれんは継続します。
しかし、その子会社の収益力が落ちのれんの価値がなくなると認められると、
その時は減損として一括償却しなければなりません。

日本における『のれん』の扱い

一方、我が国では後者の規則償却の会計基準を採用しています。
償却期間は20年を最長期間として、その効果の及ぶ期間内定額で償却していきます。

ただし、その期間内において超過収益力がなくなったと認められる時には
減損で一括償却を行わなければなりません。

規則償却は連結損益計算書の『販売費及び一般管理費』で、
減損の一括償却は『特別損失』で落とします。

固定負債に計上される負ののれんも償却が必要になります。

固定資産の償却が費用になるのとは逆に固定負債の償却は利益になり、
連結損益計算書の『営業外収益』に計上されます。

国際会計基準と日本の会計基準の統合が大きな問題になっていますが、
こののれんの償却の違いは両者の最大の相違点の1つです。

M&Aではのれんが不可避なので、その償却方法は連結の損益に大きな影響を与えます。

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