外国為替を動かす要因には政治的要素も大きく関わりますが、 その他、私たちが外貨投資をする際に考慮すべきポイントを見てみましょう。
貿易収支が黒字の国は買われる
2国間の貿易収支(経常収支)は、為替相場を判断する最も基本的な要因であり、 長期的な影響を及ぼす指標といえます。貿易収支が黒字国の通貨は買われやすく、 貿易収支の赤字国の通貨は売られやすくなります。
高金利でインフレ率の低い国にお金は流れる
2国間の金利格差は、為替相場に中期的な影響を及ぼす要因ですが、
短期的な影響も及ぼします。基本的に、金利の低い国の通貨から
金利の高い国の通貨に流れやすいという傾向があります。
金利には、『名目金利』と『実質金利』の2種類があります。
『名目金利』とは、実際の金融商品に適用されている金利で、
一般的には、その国の長期金利を目安にしています。
一方、『実質金利』とは、名目金利からその国のインフレ率(物価上昇率)を
差し引いた値を指します。
中期的な為替動向を判断する場合には、名目金利ではなく、
実質金利の格差を見る必要があります。
ヘッジファンドの動向
『ヘッジファンド』とは、アメリカで誕生した私的な投資組合の一種です。
有名な投資家であるジョージ・ソロス氏が率いているクォンタム・ファンドも
ヘッジファンドのひとつです。
ヘッジファンドは、高い利益を追求するために株式、債券、為替、商品、不動産といった
幅広い商品に極めて巨額の資金を集中的に投資するのが特徴的です。
相場の下落リスクに対して空売りを行うといったリスクヘッジをする手法を取るため
『ヘッジ』ファンドと呼ばれるようになったといわれています。
巨額の資金を運用するために為替相場に与えるインパクトも非常に大きくなり、
予想以上の為替変動がもたらされたり、中長期的に影響が持続したりします。