財務諸表上に出てくる在庫を把握して、正確に決算書を読みこなしましょう。
『在庫』の決算書への影響
財務諸表の貸借対照表上に出てくる『棚卸資産』が『在庫』にあたります。
『流動資産』である棚卸資産は、1年以内に現金化する予定の資産です。
棚卸資産は、そのまま置かれていても、利益は生み出しません。
ただ、在庫が売れれば利益を生むため、在庫を減らさなければならない理由がここにあります。
また、収益を確保するにあたりかかった費用のうち、販売にかかった分を『売上原価』といい、
損益計算書上に出てきます。これは、言い換えれば、売上高に対する商品の原価で、
通常は仕入原価のことをいい、輸送料や運送保険料も含まれます。
在庫を持たずに商品を売り切れば、仕入原価と売上原価は同じになりますが、
実際そのようなケースはほとんどないので一致しないのが普通です。
期末在庫高が大きければ、売上原価が減るため利益は大きく見えますが、
これは見せかけの数字になります。つまり、売上原価の計算には
在庫を正確に把握しておく必要があるのです。